2016年3月16日水曜日

祭りのあと。






 まずは先週日曜日、『THE ZEN KAI Vol.6』にお越しいただいた皆様に感謝を。
 そして主宰の森田大剛さんはじめ携わるスタッフと出演者、場所を提供いただいた清水寺さんに心より敬意を表します。

 空の碧が雲の白に縁取られ、くっきりそれは注染の布のよう。澄み切った春の日の下、恒例の花園禅塾の読経から桂しん吉さんの一席までノンストップの2時間。特別ゲストの満島ひかりさんの朗読のあと、祇園甲部芸妓・真生さんの聞き手を務めさせていただきました。


 江戸時代から“当たり前に”高いレベルの「おもてなし」を続けてきた京都の花街。日々のお稽古や挨拶回り、言葉遣いに装束。そして“一見お断り”をはじめとした、質の高い「おもてなし」のために培われてきたあらゆるマナーを通して、京都の花街が伝えてきた日本本来の「おもてなし」の心を探ろうという大ネタでした。
 
 他者といかに関係性を築いていくか。それは馴れ合いでは決してなく、時に厳しさを伴う調和の心。遊びも仕事もアホするときも、なんだって真剣な方がオモロいもんです。
 オリンピック決定以来濫用されている言葉について、何か考える補助線にはなったでしょうか。


 しかしながら真生さん。その美貌や語り口、気遣いや溢れ出る品位は、何しろ祇園甲部のトップランナーのひとりですから言うに及ばず、打ち合わせ時から内容の是非を率直に伝える姿、立ち居振る舞いからもマナーや伝統の世界にあっても自由に羽ばたかれているのがよく見てとれました。そういう方とのセッションは本当に面白いものです。

 革パンで30分の正座は想定外でしたが(笑)、打ち上げでのビールはこたえられないものでしたよ。次回は秋開催のようですのでそちらもどうぞお楽しみに。


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 「なんで緊張しないの」
 最近聞き手やパネラーを終えた僕によくいただくお声がけです。

 『リサーチや打ち合わせでの結果を飲み下して消化までする「準備」と、「これで失敗したらしゃあない」つまり「割り切り」の産物』そう答えたりしているのですが、思い返せば何度か手に汗握る経験があります。

 例えば先日の四国剣山縦走。スタート前の送迎バスにて、道悪や揺れのせいじゃなく我がのてのひらが震えていることに気付いた僕は、そびえ立つ深山幽谷が迫るにつけて、人任せの準備不足もあり「もしや身に余る経験なのではないか」と直感。実際2日目途中で敗退下山の苦い経験となったわけですが、大失恋した淀川河川敷、雪の京大合格発表だって、そういえばいつだって手が震えていた。「どうしようもない」圧倒的に厳然とした“事実”は実際にやってきます。

 でも「身に余る」と遠慮するから緊張が湧いてくる。横着せずに正面から挑めば、失敗したとてそれは「いい失敗」のはずです。







all Text&Photo K.Fujimoto



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