2012年8月9日木曜日

ふじもせんとくんの休暇/第三回 ぼくのペンネと、街の色。




「サンマルコ大聖堂の十字を確認」




(第二回の続き)
 なんということでしょう。3回目なのにまだ2日目が始まっていない。

 こう長編にした時に見られがちなものといえば、当ブログの常套手段「三日坊主」の大行列であって、この旅日記以外に予定していた書き物は遅々として進まず、文筆における要項「自らの内面を限界まで掘って探し当てた鉱脈」(by 村上春樹)は見つかるべくもなし、サンマルコ広場に大潮のたび発生するアクアアアルト・なんだかアが多いなあ、な水浸し現象のようにも湧いてきやしない、ただアンジーを街中で見つけては、股間をほんのりおしめらせるぐらいが関の山なのでした。
 


 今回のツアーは、「フィレンツェ、ミラノ、ローマええとこどり8日間」ではなく、正直マニアックな場所が7割を占めています。客側もイタリア3回以上の猛者揃いであって、今いるベネチアとても「ゴンドラなんてもーいーよ」ってことで、え、乗らないのゴンドラ。そもそもコースにすら入っていない有様。オカンと祖母はおすまし顔ですが、ふじもせんとくんの目前には、行く路地、渡る橋、そびえ立つ尖塔の絶え間ないご挨拶。

「ぼくのペンネが、ゆであがっちゃうよっ」

目を剥くばかり、そびえ立つ尖塔に持病のストレートネックを再発させるのです。



「船の航行跡を飽きもせず眺めて」





 上陸2日目は世界遺産ベネチア3島巡りということで、パワーボートに乗って連日のラグーナ飛沫旅。
 
 はじめに訪れたのはブラーノ島。海の民たちの見分けがつくよう各家の彩色はクレヨンさながら。世界に響く名産品ブラーノレースの繊細な白さと見事な対照を成していました。
 ムラーノ島の、紀元前の骨壺から揃うベネチアンガラス博物館は、民芸的アプローチとアート的展示を時系列の串に通したスタイルで、日本での民芸研究の視点をフルに援用。

「色は、紀元を超える!」




「完全手編みレースの値段は鬼」


「ファッション撮影用の壁をつい探す業の深さ」





 また、トルチェッロ島の涙を流す巨大なマリア様のモザイク画からは、さながら渡岸寺の国宝十一面観音を濃厚に感じて。フレスコ画以前のモザイク画の色褪せなさに、積年の信仰心がそこかしこに。観光地化されきっていない世界遺産の深い魅力…。

「イタリアにも侘び寂びを見た~り~」




「人口わずか11人。ベネチア奥座敷・トルチェッロ」





 大相撲の千秋楽の結果が気になっている以外はすっかりご機嫌のふじもせんとくん。
 
その後、午後からのフリータイムにはゴンドラに乗り、サンマルコ大聖堂、大鐘楼とハシゴして、ジェラートに口を汚してえへえへ浮かれる姿が報告されています。そのジェラテリアの名前は「Venchi」。
 「ベンキ」名物のチョコに口を汚したせんとくん、イタリアのシニョーラたちが彼の周りを迂回していったのは言うまでもありません。

(第四回へ続く)
all Photo & Text by K.Fujimoto




「んっ…ゴンドラ…あの…普通に…楽しいです…!」









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