2012年6月23日土曜日

魔。



Photo by Shungo Takeda


















がこっ。ががっ。



 ニッセイ村のビル風に背を押されながら、ゆったり変速をかけたコルナゴを自宅に向け漕ぎ出します。肩にかけたニットを前で結び直す僕の頬に、阪神高速の灯が流れていく。


 8月号の校正を終えた初夏の夜長。まるで人気のない街に、可愛らしくガンをくれたキャラメル色の三毛がひとり、自分のわきをかいでいます。








 気付けば夏至。日々の仕事にかまけていれば、自宅の一輪挿しのまわりにはいつかの花弁が散らかり、ウールジャケットもハンガーラックの中で行き場がなくなって、大切な時間を何かが知らぬ間に押し流してしまったのに、阿呆みたいに驚いています。


 相変わらずブログ更新詐欺な僕ですが、シティ・ポップでもかけながら、昨晩の顛末でも書こうか。いや、やめた。呟きや顔本にすっかり慣れちまうと、この真っ白なブログという大地をひっかくことの、本来的な狂気や恥ずかしさにすっかり足がすくんでしまいます。というよりも、最近は「書かなきゃ」的なことより、「書きたいの?」との身体の声を聞いているだけで。まあいいでしょう。












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 焼肉に行っても、生レバーがないからいつまでもゴキゲンが始まらない。フェスやマルシェで休日を過ごすことはあっても、クラブやバーで朝陽を迎えることもなくなってしまいました。連日記録更新を続ける転変地異を伝えるニュースのあとは、暴走自動車や通り魔が主役になっています。

 原発や増税のことは言わずもがな、“情理”の通らない、人間の本能そのものがダイレクトに損なわれる世の中で、人に巣くいつつある“魔”の存在を感じます(当然、自分の中にもです)。まったく、震災で綻んだ見知らぬ割れ目から本当に悪魔が少しずつ飛び出してきているかのような。
 



 そんな生きにくいといっていい毎日を、日々ラッセルして進むひとたちが、周りに増えてきています。家族を守りながら、世の中のため生き抜く逞しいひとたち。そんな敬服すべき人材と語り合いながら、ともに“場”を作り、学んでいるところなのです。

 そんな日々の感動をあますところなくこのブログでお伝えしたいのですが、物理的にそうもいきません。当分は深い話は直接私の口から聞いていただいて(笑)、ライトに更新を心がけようと思います。




 さて来月はじめに高知。来月末にはイタリア、再来月には出雲と旅が続きます。そんなふじもせんとくんのマタタビロードは、また次回のお話で。









<写真キャプション>

今月訪れた高知の農業の現場。スケートで登場した刈谷農園・刈谷さんらとランプ併設のトレーラーハウス。









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